【源泉徴収の仕組み】フリーランスの源泉徴収を徹底解説

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

この記事を3行で解説

➀フリーランスが受ける仕事の中には、源泉徴収が必要なケースがある。
➁源泉徴収の有無は仕事内容や相手の属性(法人・個人)によって異なる。
➂払いすぎた場合は過去5年分まで遡って還付申請が可能。


【あらすじ】
魔王討伐に向かう勇者一行。…のはずが、勇者たちはまだ「はじまりの町」にいた。勇者はドワーフを臨時でパーティーに加入させようとするが…

勇者勇者
今日から臨時でパーティーに入ってくれるドワーフさんだ!
みんなよろしく!
ドワーフドワーフ
おいどんは、ドワーフと申す者!
よろしくでごわす!
魔導士魔導士
このチビっちょ、使いものになるアルか…?
勇者勇者
失礼だぞ、こう見えてドワーフさんはこの町で一番の力持ちだ。
明日、助っ人として、オレと一緒にドラゴン討伐に行ってもらう!
魔導士魔導士
1人でドラゴン退治に行くのが怖くなっただけアルな?
勇者勇者
ち、違うわ!
スライム師匠スライム師匠
勇者よ、ドワーフを外注するお金はあるのか?
勇者勇者
ギリギリある!
魔導士魔導士
となると
ドワーフのちびっちょの「源泉徴収が必要」なんじゃないアルか?
スライム師匠スライム師匠
うむ。
そうじゃな、必要だ
勇者勇者

ん…?
源泉徴収ってなんだ?

スライム師匠スライム師匠
簡単に言うと、源泉徴収はクライアントが代わりに税金を納める仕組みじゃ。
勇者よ、お主がドワーフの源泉徴収をすることになるんじゃ
勇者勇者
…え?

源泉徴収をしないといけないことが分かった勇者一行。

「源泉徴収ってよく聞くけど、実際はどんな仕組み?」

簡単に言うと、源泉徴収はクライアントが代わりに税金を納める仕組みです。

つまり、税金を前払いするイメージで、報酬をもらう時にはすでに税金分が引かれている状態になります。

この仕組みにより、国が効率的に税金を集めることができるのです。

この記事では、フリーランスとして働く上で知っておくべき源泉徴収について、初心者でも分かりやすく解説します!

勇者は「源泉徴収」の旅に出た

目次

フリーランスが源泉徴収の対象となるケースとは?

源泉徴収の対象となる範囲

源泉徴収の対象になるかは、国税庁により定められている仕事での報酬かどうか。

実は、源泉徴収されるかどうかは、国税庁のルールに従って決まっています。

どんな仕事が源泉徴収されるのか、どんな仕事がされないのかを、しっかり確認しておきましょう!

源泉徴収される仕事

フリーランスが源泉徴収される仕事は、実は限られています

たとえば、こんな場合。

原稿料:雑誌に記事や原稿を書いたとき
講演料:講演をしたとき
デザイン料:ロゴやWebサイトのデザインを依頼されたとき

これらの仕事では、クライアントが税金を納めることになります。

そして、あなたには源泉徴収分を引いた額の報酬が支払われることになります。

仕事を依頼する、または依頼される際は、「源泉徴収が必要な仕事なのか?」を確認することが大事。

トラブルを避けるためにも、源泉徴収が適用される仕事かどうかを見極めておくことが重要なので、以下で必ず確認しましょう!

No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

源泉徴収されない仕事

一方で、それ以外は源泉徴収の対象になりません。

例えば、こんな仕事は対象外。

・システム開発
・ウェブサイトの制作
・動画編集

IT系や専門的な業務は、源泉徴収の対象ではないことが多いです。

フリーランスエンジニアの場合は、仕事的に源泉徴収の対象ではないケースがほとんど。

源泉徴収の対象ではない場合は、通常通り、自分で確定申告で計算して税金を納めればOKです。

勇者勇者
フリーランスはどんな場合に、源泉徴収が必要なんだ?
スライム師匠スライム師匠
結局のところ、源泉徴収が必要な仕事に該当した場合のみじゃ。
全ての取引で必要なわけではないから気を付けるんじゃぞ!
勇者勇者
なるほど!
スライム師匠スライム師匠
法人(クライアント)がフリーランス(個人事業主)に依頼する場合は、該当する仕事だったらクライアント側で源泉徴収が必要になる。
ただし、法人同士では原則、源泉徴収は不要になるから注意が必要じゃ
魔導士魔導士
フリーランス勇者が「法人勇者」になったら、法人間では源泉徴収が必要なくなるということアルな💡
スライム師匠スライム師匠
そうじゃ!
ただし、もし個人事業主が法人へ仕事を依頼した場合は、該当する仕事でも源泉徴収は不要になるから注意じゃぞ
勇者勇者
ややこしい!(笑)

源泉徴収額の確認方法

源泉徴収票と支払調書

源泉徴収額を確認するには、「源泉徴収票」や「支払調書」があります。

依頼された場合は「源泉徴収票」をもらいましょう。

逆にクライアント側になり依頼する場合は、源泉徴収票を発行することになります!

また、支払調書は、税務署に提出しなければなりません。

源泉徴収票だいたい1月〜3月の間に送られてきます。報酬額や引かれた税金の額が書いてあるので、確認しておきましょう。
支払調書こちらは、クライアントが税務署に提出するための書類。支払った報酬や源泉徴収された税額が書かれています。

フリーランスの場合、源泉徴収を行う義務はない

フリーランスに対しても、クライアント側は源泉徴収を行う義務があります。

しかーし!

フリーランスに仕事を発注しているクライアントは、会社員とは違い、必ず源泉徴収票を発行する義務はありません

そのため、「源泉徴収票」が送られてこないこともあります。

源泉徴収票がなくても、自分で税率計算をして申告することは可能です。

ただし、ちょっと面倒なので、発行してもらえるようにクライアントに頼むのが無難です!

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収額を求める際の計算方法をご紹介します。

100万円を超えるかどうかで計算式が変わるので注意が必要です。

報酬額源泉徴収額
100万円以下報酬額×10.21%
100万円超(報酬額−100万円)×20.42%+102,000円

10.21%の内訳は、10%の所得税と0.21%の復興特別所得税です。

例えば、報酬が30万円の場合。

30万円 × 10.21% = 30,630円

源泉徴収税額は 30,630円 となります。

勇者勇者
ふむふむ。
報酬額に 10.21% を掛ければいいんだな
魔導士魔導士
ドワーフのおっさん、180万円も請求してるアルよ
勇者勇者
ゆ、優秀な人材だし、仕方ない!
ドラゴン倒せば余裕で回収できる!
180万円×10.21%=183,780円の源泉徴収か…!
スライム師匠スライム師匠
計算が間違っとるぞ。
100万円超えると式が違うのじゃ!
魔導士魔導士
100万円超になるとこうアル!
(180万円−100万円) × 20.42% + 102,000円 = 265,360円
スライム師匠スライム師匠
報酬が100万円を超えると計算式は全く別になるから気を付けるのじゃ
勇者勇者
に、に、265,360円…!!

フリーランスが源泉徴収で気をつけるポイント

源泉徴収で、気をつけておきたいポイントは3つ

➀案件ごとに源泉徴収された金額を確認しよう
➁確定申告する際は、源泉徴収分を差し引いて納税しよう 
➂払いすぎた税金があったら、還付申告をしよう

➀源泉徴収票と支払調書を確認しよう

確定申告は、毎年2月16日から3月15日まで。

確定申告は短い期間だからこそ、慌てないように、「源泉徴収票」を手元にしっかり用意しておくことが大切。

もし手元にない場合は自分で計算することになるため、クライアントにお願いしてしっかりともらっておきましょう!

なお、こちらがクライアント側の場合は、報酬や料金を支払った年の翌年1月31日までに、「支払調書」を企業の住所を管轄する税務署長に提出しなければなりません。

ちなみに、支払金額が年間5万円以下を下回る場合、支払調書の提出は不要です。

確定申告する際は、源泉徴収分を差し引いて納税しよう 

確定申告をする際、源泉徴収されている税金を差し引かないと、実際に支払うべき税金より多く納めてしまうことになってしまいます。

なので、確定申告の際は、源泉徴収で引かれた税額をきちんと差し引いてから納税するように気を付けましょう!

払いすぎた税金があったら、還付申告をしよう

もし源泉徴収で引かれた税金が、実際に支払うべき税金より多かった場合、確定申告で払いすぎた分を取り戻すことができます。

この還付申告をすることで、余分に支払った税金が戻ってくるので、忘れずに申告しましょう!

実は、過去5年分までさかのぼって申告できます。

もし過去に払いすぎた税金があった場合、一緒に申告しておきましょう!

スライム師匠スライム師匠
勇者よ、ドラゴン討伐はどうだったんじゃ?
勇者勇者
まあ…
無事、討伐はできた
スライム師匠スライム師匠
なんだ、元気がないじゃないか
魔導士魔導士
ドラゴンを倒した報酬が150万円。
ドワーフへの報酬180万円だったらしいアル。
スライム師匠スライム師匠
大赤字じゃないか(笑)
ドワーフドワーフ
(簡単な仕事でごわした)
スライム師匠スライム師匠
しかも、あそこのドラゴンはそこまで強くはない。
お主だけでも勝てたんじゃないか?
勇者勇者
…ドラゴン弱かった。
スライム師匠スライム師匠
そうじゃろ。
まだお金に余裕がない内は、挑む相手を間違えずに、誰かに頼らずに自分でできることから挑戦するべきじゃ
勇者勇者
…ぐうの音も出ねぇ
スライム師匠スライム師匠
どうしてもできないことは、誰かに依頼することも必要じゃ。
じゃが、本当に手助けが必要なのかをまずは考えるべきじゃ。
誰かに頼ってばかりでは成長もない
魔導士魔導士
勇者のオマエ、いい勉強になったアルな
ドワーフドワーフ
(毎度ありでごわす!)

フリーランスの場合、仕事によっては源泉徴収を「する・される」場合があります。

だから、事前に「源泉徴収が必要な仕事かどうか」をしっかり確認しておくことが大切

また、普段から「源泉徴収票」や「支払調書」をきちんと管理するクセをつけておましょう!

勇者は「源泉徴収」の他に大事なことを学んだ

関連記事

資金調達に関しては、こちらの記事をチェック!

人気記事

フリーランスエンジニアにとって最大の理解者

源泉徴収は、ちょっとめんどくさいというのが本音ですよね。

時間がないのに、アレもコレも…

そんな1人で戦い続けるフリーランスエンジニアにとって、心強い味方がいます。

あなたの強みを引き出し、長期的にフリーランスエンジニアとして活躍し続けられるように全力でサポートしている「エージェント」の存在です。

エージェントは、営業などの雑務を代行し、本業だけに集中できるようにサポートしてくれます。

また、あなたが活躍できる案件を「できるだけ高額になるように獲得」してくれる貴重な存在でもあります。

エージェントと契約するということは、あなたの収入を上げる契機でもあるのです!

なぜ収入が上がるのでしょうか?

そんな収入UPを目指す方のために、「マージンが最大10万円」という業界最安水準のエージェントサービスがあります。

このサービスを運営している代表は、現在は14期目のIT企業「ライトコード」を経営していますが、当時はフリーランスエンジニアとして大手有名WEBサービスなどで活躍していました。

その中で、自身も不透明なマージンに苦しんだ経験がありました。

そんな代表が、無駄を限界まで削減しフリーランスエンジニアの方への利益還元を最優先に考えてスタートしたのが、「ITANKEN(IT案件.com)」です!

なぜマージンが減ることで高収入が期待できるのかは、以下の記事をぜひお読みください。

「広告にお金をかけるくらいなら、フリーランスに還元したい」

ITANKENは、そんな代表の一言から生まれたサービスです。

IT業界に20年以上携わってきた代表が、業界に対しての恩返しともいえるサービスがこの「ITANKEN」です。

ITANKENのポイントはこの5つ。

①マージンが最大10万円で業界最安値水準(記事
②支払いサイトは15日で業界トップクラス(記事
③公平性と透明性を重視したお取引(記事
④エージェントは人柄を重視(記事
⑤開発責任者は元フリーランス(記事

ITANKENでは、あなたの成長を全力でお手伝いできるサポート体制を整えております。

仕事内容や単価などでお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談くださいませ!以下ボタンより、10秒で簡単にご登録できます。

最後まで読んでくれた方へ

現在、お祝い金キャンペーン実施中です!

ITANKENをご利用いただいたフリーランスの皆様への感謝の気持ちとして、案件稼働1ヶ月経過後の初回報酬支払い時に、現金30,000円をプレゼント中!

申請手続きは不要で、対象の方には自動で指定口座に振り込まれます。

ご登録はこちら!

シェアを待っておるぞ✨
目次