記事を3行で解説
➀MS-DOSが「どのPCでも同じソフトが動く」世界を作り、Windows 3.1がマウス操作などのGUIを一般化させた。
➁スタートボタンやネット接続機能を備えたWindows95が社会現象を起こし、現在の直感的なPC操作の基礎を完成させた。
➂Windows 98ではOSとブラウザの統合や大容量HDD・USBへの対応が進み、インターネット時代の本格的な幕開けとなった。

現在、私たちが当たり前のように使っているパソコンやスマートフォン。
画面をタップしたり、マウスで直感的に操作したりするだけで、あっという間に世界中と繋がることができる魔法のような時代です。
しかし、最初からパソコンがこんなに優しくて便利な魔法の箱だったわけではありません。
真っ黒な画面にコマンドを打ち込んでいた「MS-DOS」の誕生から、パソコンを一般家庭へと導いた「Windows 3.1」、そして世界中をお祭り騒ぎに巻き込んだ「Windows 95」。
今回は、ITの歴史を語る上で絶対に外せないWindowsのOSの進化の物語をお届けします!
MS-DOS(1981年)

MS-DOSの革新は、どのメーカーのパソコンでも、同じソフトウェアが動く世界を作ったこと。
MS-DOS登場以前のパソコンはメーカーごとに中身が全く違うのが当たり前でした。
A社のパソコンで作ったソフトは、B社のパソコンでは絶対に動きません。
ソフトウェア開発者は、機種ごとにプログラムを最初から書き直すという地獄のような作業を強いられていました。
しかし、MS-DOSがIBM互換機の標準OSとなったことで、状況は一変!
「MS-DOSというOSの上でソフトを作れば、世界中のどのパソコンでも動く!」
これにより、ソフトウェアメーカーはMS-DOS向けのソフト開発に全力を注ぐことになり、Excelの前身である「Lotus 1-2-3」などの優秀なソフトが次々と誕生しました。
現在のWindows用ソフトであればどのPCでも動くという常識は、MS-DOSが作ったのです!
CLIの世界
マウスで直感的に操作できる現代とは異なり、MS-DOSの世界には黒い画面と点滅するカーソルしかありませんでした。
ファイルを見るならdir、コピーするならcopyと、キーボードでコマンドを打ち込むCLI(コマンドライン・インターフェース)が主流でした。
音楽を聴きながら文章を打つようなマルチタスクはできず、人間がパソコンの言語に合わせるという職人向けの時代でした。
帝国を築き上げたビジネスモデル
MS-DOSの凄さは、技術力よりもビル・ゲイツの天才的な商売の才能にあります。
1981年、巨大企業IBMからOSの開発を依頼されたゲイツは、「OSの提供はするが、著作権はマイクロソフトが持ち、他社にも売っていい」という契約を結びました。
結果、IBM以外の無数のメーカーがMS-DOSを搭載した「IBM互換機」を発売し、瞬く間に世界中のパソコンのデファクトスタンダードとなったのです!
日本独自の熱狂「PC-98」
世界中がIBM互換機に染まる中、日本語や漢字を処理する特殊な事情があった日本では、NECの「PC-9800シリーズ」という独自のパソコンが市場を独占しました。
この環境下で、当時のエンジニアたちはハードウェアの限界をハッキングすれすれの技術で引き出し、数々の伝説的な名作ゲームを生み出しました。
「信長の野望」「イース」といった歴史的名作RPGやシミュレーションゲームはもちろん、日本の強みである「美少女ゲーム」や「同人ゲーム」も、このPC-98があったからこそ独自の進化を遂げたのです。
クリエイターたちの青春は、このMS-DOSがあったからこそだったのです!
彼はその権利をたったの約5万ドルで買い取り、それを少し手直しして「MS-DOS」としてIBMに納品したんじゃ
Windows 3.1(1993年)

MS-DOSの誕生から10年以上の時を経た1993年5月、Windows 3.1が発売されました。
Windows 95が”爆発“だとしたら、Windows 3.1は”着火剤“でした。
当時は、テレビCMがガンガン打たれ、パソコン市場がグッと上向きになり、1995年5月には400万本に達しました。
パソコンが一部のマニアのものから一般家庭の家電になる、その橋渡しをしたのがWindows 3.1でした。
普及のカギはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)でした。
ファイルマネージャやプログラムマネージャを採用し、デスクトップ上のアイコンやフォルダをマウスで操作するのが当たり前になったのです!
実は「OS」ではなく「巨大なアプリ」だった
Windows 3.1は単独で動くシステムではなく、あくまでMS-DOSという黒い画面のOSの上で動く「拡張ソフトウェア」でした。
パソコンの電源を入れたら、まずは黒い画面にキーボードで「win」と打ち込んでエンターキーをターン!
すると、今までなかったグラフィカルな画面が立ち上がる、という仕組みだったのです。
マルチメディアの夜明け
エンジニア的に見逃せないのが、「TrueTypeフォント」の標準搭載です。
文字をどれだけ拡大してもギザギザにならず美しく表示できるようになり、パソコンで本格的なチラシや書類が作れるようになりました。
さらに、CD-ROMやサウンドカードに本格対応し、パソコンが「ただの計算機」から「音と映像を楽しめるマルチメディア機器」へと劇的に進化した瞬間でもあります。
マウス操作の「鬼教官」としてのゲーム
今では当たり前の「マウス」ですが、当時は誰も使い方がわかりませんでした。
そこで標準搭載されたのがソリティアとマインスイーパです。
実はあのゲーム、仕事をサボるためのものではありません。
ユーザーにマウスのドラッグ&ドロップや、右クリックの操作を楽しみながら覚えさせるためのチュートリアルとして開発されたものだったのです!
遊びたい衝動を抑えきれず、休日にこっそり会社に忍び込み、部下のパソコンを勝手に立ち上げて新記録を出して帰るという、奇行に走ってたそうじゃ
Windows 95(1995年)

1995年後半に、いよいよWindows 95が降臨します。
日本では11月に発売されましたが、秋葉原では深夜販売にもかかわらず数千人の長蛇の列ができ、ニュース番組がこぞって中継するほどの社会現象になりました。
パソコン関係でお祭り騒ぎになるなんて、後にも先にもこの時だけです。
Windows 3.1が2年かけて400万本売ったのに対し、Windows 95は全世界で発売後たった3日で400万本、1ヶ月強で1000万本という、桁違いのモンスター級セールスを叩き出しました。
「スタートボタン」という歴史的発明
パソコンの使い方がわからない初心者は「まずはここを押せ」というスタートボタンを作りました。
これこそがWindows 95最大のUI革命です。
黒い画面でコマンドを打ち込んでいた時代から、マウスで直感的に操作できる現代のUIの基礎が、ここで完成しました。
さらに、現在開いているソフトが一目でわかるタスクバーの概念もここで完成しました。
現在のWindows 11に至るまで、この基本構造は変わっていません。
周辺機器の常識を変えた「プラグ&プレイ」
パソコンに新しいプリンターやマウスを繋ぐのは、専門知識と複雑な設定が必要なエンジニアの仕事でした。
Windows 95は、「ケーブルを挿す(Plug)だけで、自動的に設定されて使える(Play)ようになる」という画期的な機能をOSレベルで導入しました。
当時の技術ではまだ不安定で、繋いだ瞬間にフリーズすることも多く、エンジニアからはプラグ&プレイ(挿して祈れ)と皮肉られましたが、パソコンの敷居を劇的に下げた出来事でした!
全人類をインターネットの海へ
Windows 95は、インターネットに繋がるための世界共通の通信ルール(TCP/IP)を標準で組み込みました。
これにより、一部の大学や研究機関の専門家が使うものだったネットワーク通信が、一般家庭の電話線から簡単に繋がるようになりました。
「ネットサーフィン」という言葉が生まれ、世界中の人々がサイバー空間で繋がり始めたのは、間違いなくWindows 95が扉を開けたからです。
インターネット接続機能やブラウザ「Internet Explorer」が組み込まれ、一部の専門家やマニアのものだったインターネットを一気に一般家庭へと開放しました。
現代のネット社会は、間違いなくこのOSから始まりました!

後のインタビューで「実はあの曲、Macで作ったんだよね。当時はWindows機なんて触ったこともなくて、嫌いだったから」と衝撃の暴露をしたのは有名な話じゃ
Windows 98(1998年)

Windows 98の最大の革新は、OSとブラウザ(Internet Explorer 4.0)が統合されたことです。
Windows 95までは「パソコンという箱の中」で完結していましたが、Windows 98は「最初からインターネットで世界と繋がっていること」を前提に作られました。
その象徴がActive Desktopです。
これは、Webブラウザをデスクトップ画面のシステムに直接埋め込んでしまうという大胆な設計で、現在のウィジェット機能の先駆けでした。
ただ、当時の遅いダイヤルアップ回線では動作が劇的に重くなってしまったため、エンジニアはOSを入れたら、速攻でActive Desktopを無効化するのがお約束の儀式でした(笑)
ギガバイト時代の救世主「FAT32」
ハードディスクの容量が急激に増え、「メガ(MB)」から「ギガ(GB)」へと突入した時代です。
従来のシステムでは「最大2GBまでしか1つのドライブとして認識できない」という致命的な壁がありましたが、Windows 98は「FAT32」という新システムを標準搭載してこれを突破。
現在私たちが大容量データを当たり前に保存できる土台を作りました。
また、現代の必須規格である「USB」が本格的に使えるようになったのも、このWindows 98からです。
SEが真の名機!
実は1998年発売の初期版は、かなりバグが多くて不安定でした。
真の完成形であり名機として語り継がれているのは、翌1999年にひっそりと発売されたマイナーチェンジ版Windows 98 SE(Second Edition)です!
USB機能がここでようやく安定し、「インターネット接続の共有」が追加されたことで、家庭内ネットワークが一気に普及したのです。
突然画面が切り替わり、壮大なBGMとともに開発スタッフ全員の名前がエンドロールのように流れるという仕掛けじゃ
Windowsの波乱万丈なドラマはまだまだ続く

真っ黒な画面の「MS-DOS」が世界共通の土台を作り、「Windows 3.1」がマウス操作という新しい窓を開け放つ。そこへ「Windows 95」が全人類をPCの世界へ引き込み、「Windows 98」がついにインターネット革命を爆発させました。
しかし!
ITの歴史、そしてWindowsの波乱万丈なドラマは、ここで終わりではありません。
むしろ95と98の成功は、さらにエキサイティングでカオスな時代のほんの幕開けに過ぎなかったのです。
次回は、世界中のユーザーが引退を拒んだ伝説の神OS「Windows XP」、時代を先取りしすぎて大バッシングを浴びた悲劇や、世界中がパニックに陥った「スタートボタン消滅事件」…
次回、天才エンジニアたちは、数々の挫折をどうやって乗り越え、いかにして現在の最強の姿へと進化したのかご紹介します!
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