【JavaScriptの父】ブレンダン・アイクのブラウザ奮闘記

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀ブレンダン・アイクは1995年、わずか10日間でJavaScriptの原型を開発し、Webに革命を起こした。

➁Mozilla(Firefox)を設立しIEの独占を打破したが、過去の政治献金を理由にCEO職をわずか11日で退いた。

➂現在はBraveブラウザを立ち上げ、自ら生んだJavaScriptによる過度な追跡や広告を遮断し、Webの自由のために戦っている。


JavaとJavaScriptは本当に関係ない?

カトウカトウ
JavaとJavaScriptって別物なんですよね?
入門書に書いてありましたが。
にゃん八にゃん八
ふっ、よく言われる例えは『メロンとメロンパン』。
あるいは『インドとインドネシア』。
似ているのは名前だけで、中身は全くの別物だ!
カトウカトウ
やっぱりそうなんだ!
なんでそんな紛らわしい名前にしたんですか?
誰かへの嫌がらせ?
にゃん八にゃん八
嫌がらせ?
甘い、甘すぎるぞ!
これはな、弱小勢力が巨大帝国に立ち向かうための、決死のカモフラージュだったんだ
カトウカトウ
えっ…
急にプロジ●クトXみたい
にゃん八にゃん八
その中心にいた男こそ、ブレンダン・アイク
彼はただのプログラマーではない!
Webという荒野を10日間で切り拓き、一度は追放され、そして今、復讐のために帰ってきた男!

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目次

JavaScriptの開発者ブレンダン・アイク

ブレンダン・アイクは1961年7月4日、カリフォルニア州のサニーベールで生まれました。

サンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置し、後に「シリコンバレー」と呼ばれるようになる”聖地”で育ちました。

大学を卒業後は、コンピュータグラフィックスのワークステーションで有名な「シリコン・グラフィックス社」に就職し、OSとネットワーク関連のエンジニアとして7年間働きました。

退屈な日々を過ごした

と感じ、1995年4月、ネットスケープ・コミュニケーションズ社に入社。

ネットスケープ・コミュニケーションズ社の設立者は、革新的なWEBブラウザ「Mosaic(モザイク)」を開発した「マーク・アンドリーセン」。

後に、アーク・アンドリーセンは伝説のIT起業家になる男でした!

JavaScriptの原型を10日で完成させた

1995年当時のWebは、静止画とテキストだけの退屈な世界でした。

そこに君臨しようとしていたのが、ご存知マイクロソフト。

対して、ベンチャー企業のネットスケープ(Netscape)は、ブラウザ市場で生き残るために必死な状態でした。

そして、彼らは考えました。

Webブラウザ上で、デザイナーや素人でも簡単に動かせる『軽量な言語』が必要だ

白羽の矢が立ったのが、ブレンダン・アイクでした。

しかし、会社が彼に与えた期限は狂っていました。

「急げ。敵(Microsoft)が来る前に作り上げろ!」

ブレンダンは、この無理難題に対し、オフィスに籠もり、不眠不休でキーボードを叩き続けました。

その期間は、わずか10日間でした。

カトウカトウ
と、10日!?
にゃん八にゃん八
信じられないスピードだろう(笑)
普段、ダラダラと仕様書を書いている間に、彼は言語のコア仕様をすべて書き上げ、実装してしまったのだ
カトウカトウ
これが、後に世界中のWebサイトの98%で動くことになる言語の誕生なのか…!
にゃん八にゃん八
当時のコードネームは「Mocha(モカ))」。
カフェイン中毒になりそうな開発現場が目に浮かぶな

「便乗」マーケティング大成功!?JavaScriptの普及

ブレンダンの神業で「Mocha」が完成しました。

しかし、ネットスケープの幹部は悩んでいました。

「Mocha? LiveScript? うーん、名前が地味だ。これじゃ流行らないぞ…」

当時、IT業界で飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが、Sun Microsystems社が開発したプログラミング言語「Java」でした。

「これからはJavaの時代だ!」「Javaこそが未来だ!」

と、猫も杓子もJavaに熱狂していた時期です。

そこで、悪魔的で天才的なマーケティング戦略が発動。

「そうだ! 我々の言語の名前を『JavaScript』にしよう!」

カトウカトウ
は!?
なんでそうなるの!?
にゃん八にゃん八
「Java」という人気ブランドにあやかるためだな(笑)
カトウカトウ
「JavaScript」という名前にすれば、『あの流行りのJavaの親戚かな?』とか『Javaの弟分みたいなものかな?』と勘違いして、みんなが使ってくれるだろう…ということ?(笑)
にゃん八にゃん八
そうだ、パクr…
び、便乗商法だ!
カトウカトウ
文法も設計思想も全く違うのに、ただ「流行りそうだから」という理由だけで名前を寄せたのね
にゃん八にゃん八
これが現在まで続く『名前が似てるのにJavaとJavaScriptは別物』という混乱の元凶だな
カトウカトウ
まあ、マーケティング的には大成功でしたね(笑)
にゃん八にゃん八
名前のおかげもあって、JavaScriptは注目を浴び、またたく間に世界中のWebサイトに広がっていった。
ブレンダン・アイク本人も後に、「マーケティング上の決定だった」と認めているぞ

Webの守護者、ブレンダン・アイクの戦い

JavaScriptで成功を納めた「ブレンダン・アイク」。

しかし、彼のここで物語は終わりません。

ブレンダンは、その後も波乱万丈な人生を歩みます。

敗北と再生

ネットスケープ社は、Microsoftとの「ブラウザ戦争」に敗れ、消滅。

ネットスケープ社は「AOL」に買収されてしまいました。

しかし、ブレンダンは諦めず、オープンソースプロジェクト「Mozilla(モジラ)」を立ち上げます。

AOLはMozillaの活動に理解を示し、支援していましたが、次第に態度を変えていきます。

プロジェクトはオープンソースの原理原則に則って運営されるべきでしたが、AOLはブラウザに自社サイトへ飛ぶボタンをつけることを望んでいました。

計画の足並みはそろわず、2000年にリリースされた「Netscape Navigator 6.0」は大失敗に終わってしまいました。

Mozilla Foundationの設立

Mozillaプロジェクトのメンバーは次第にAOLの経営陣と衝突するようになり、2001年、ついにプロジェクトリーダーであるミッチェル・ベイカーが解雇。

内部ではメンバー同士の仲たがいもあり、プロジェクトは混迷を極めます。

そこへ救いの手を差し伸べたのが、かつて一世を風靡した表計算ソフト「Lotus 1-2-3」の開発者「ミッチ・ケイパー」です。

彼は、ミッチェル・ベイカーとブレンダン・アイクに「自分が出資するから独立しないか」と持ち掛け、2003年7月、「Mozilla Foundation」が設立されたのです!

にゃん八にゃん八
そこから生まれたのが、あの「Firefox」だ!
カトウカトウ
ああ!
あのキツネの!
にゃん八にゃん八
彼はFirefoxの技術トップ(CTO)として、独占状態だったInternet Explorerに戦いを挑み、Webの自由を取り戻したのだ!

Firefox

彼は巨大帝国マイクロソフトに対抗するため、世界中のボランティアエンジニアたちと手を組みました。

そうして生まれたのが「Firefox」。

この火の狐は、IEの独占によって腐敗しかけていたWebの世界を焼き払い、再び競争と革新を取り戻しました。

彼は、『Webの救世主』となったのです!

そして2014年、彼はついにMozillaの頂点であるCEOに就任しますが…

その栄光はたった11日間しか続きませんでした…

カトウカトウ
えっ!? 11日!?
セミの一生より短いじゃないですか!
何があったんですか?
にゃん八にゃん八
過去の亡霊に足を引っ張られたんだ…

追放、そして新たなる挑戦

CEO就任直後、彼がその6年も前に、カリフォルニア州の「同性婚禁止法案」に個人的な寄付をしていた事実が掘り起こされたました。

多様性を重んじるシリコンバレーにおいて、この事実は致命的でした。

社内外から猛烈なバッシングが巻き起こり、社員からも辞任要求が突きつけら、事実上の追放を受けてしまうのです…!

シリコンバレーを追われ、名声を失った天才。

普通ならここで隠居して余生を送るでしょうが、ブレンダン・アイクの辞書に「諦める」という文字はありませんでした。

彼は傷ついた体を引きずりながら、現代のWebを蝕んでいる「ある病」に気づくのです!

カトウカトウ
病…?
にゃん八にゃん八
皮肉な話だが、彼が作ったJavaScriptがあまりにも便利すぎたせいで、Webは今や「監視カメラ」だらけになってしまったのだ
カトウカトウ
監視カメラ…?
にゃん八にゃん八
Webが『広告』と『追跡』まみれになってしまったということだ
カトウカトウ
ああ!
一度スニーカーを検索したら、どこのサイトに行ってもスニーカーの広告が追いかけてくるあれですね
にゃん八にゃん八
企業はJavaScriptを使ってユーザーの行動をのぞき見し、データを売り買いし、通信量を泥棒している
カトウカトウ
自分が作った技術が、ユーザーを幸せにするどころか、プライバシーを侵害する道具に成り下がっている現実に絶望したってことね

Brave

そこで彼は2015年、新しい会社を立ち上げます。

その名も「Brave Software」。

彼が作ったブラウザ「Brave(ブレイブ)」は、皮肉にも彼自身が普及させたJavaScriptによる広告やトラッキングを、デフォルトですべてブロックするという過激な仕様でした。

JavaScriptを作った男が、今度は「行き過ぎたJavaScript」をブロックして、Webを高速化し、プライバシーを取り戻そうとしている。

ネット上では大きな話題になりました。

「俺が作った世界だ。汚したのは誰だ。…俺が掃除してやる!!」

カトウカトウ
ブレイブ…
「勇敢」ってことよね?
にゃん八にゃん八
その名前通り、このブラウザの思想は過激だぞ。
GoogleやFacebookといった巨大企業が支配する『広告エコシステム』への完全な宣戦布告!
カトウカトウ
これこそが、ブレンダン・アイクという男の生き様!
しびれるぅ!
にゃん八にゃん八
Webが特定の巨大企業に支配されることを決して許さない、反骨のエンジニアなのだ!

権力と戦う男「ブレンダン・アイク」

Braveは、標準状態で広告やトラッカーをすべてブロック。

ユーザーを追跡しようとする邪悪なJavaScriptを、生みの親が作ったブラウザが片っ端から遮断していくのです。

さらに彼は、ユーザーが「あえて広告を見る」ことを選んだ場合のみ、その対価として「BAT」という仮想通貨をユーザー自身に支払う仕組みまで作りました。

これはもはやブラウザではなく、Webの経済圏を根底からひっくり返す革命装置だったのです。

かつてはマイクロソフトと戦い、次はWebの標準化のために戦い、今は監視資本主義と戦っています。

ブレンダン・アイクは、JavaScriptという怪物を生み出し、その怪物が暴走してプライバシーを食い荒らすのを止めるために、巨大な敵と戦い続けています。

これが「JavaScriptの父」の生き様なのです。

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カトウカトウ
ちょ、ちょっと待ってください!
一般的なエージェントのマージンが25%ってことは…
もし私が月単価80万円の案件をこなしても、毎月20万円も手数料で引かれてるってことですか!?
にゃん八にゃん八
ふふふ…それも本人には知らせずにな…
報酬の内訳を隠すブラックボックス、まさに旧時代のレガシーシステムだ
カトウカトウ
でも、「ITANKEN」なら上限10万円固定ってことは…
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にゃん八にゃん八
そうだ、年間で120万円もアップする計算だ!
カトウの大好きなゲームもたくさん買えるな!

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