国民年金基金は「年金」をちょっと増やすための制度

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀国民年金基金は、フリーランスや自営業者が国民年金に上乗せして将来の年金額を増やせる公的制度で、任意加入が可能。

➁終身年金や確定年金など複数プランから選べ、掛金は全額所得控除の対象となるため節税効果も大きい。

➂会社員の厚生年金に相当する「2階部分」として、老後資金の安定や遺族保障にも役立つが、途中解約不可など注意点もある。


教えて~!にゃん八先生

先生先生
月 69,308 円
これはなんの数字でしょう?
カトウカトウ
にゃん八先生の給料じゃない?
にゃん八にゃん八
コラ、もっともらっとるわ!
2025年度の国民年金の月の支給額だろう!(対象は昭和31年4月2日以降生まれの方)
先生先生
正解!
つまり、フリーランスや個人事業主が将来もらえる基礎年金の金額ですね
カトウカトウ
でも…
この金額だけで、1か月暮らしていけるんですか?
にゃん八にゃん八
…正直、なかなか厳しいな
先生先生
総務省の統計によると、一人暮らしの高齢者が必要とする生活費は月15.5万円。
倍以上の差がある計算になります…!
にゃん八にゃん八
そこで!
フリーランスが老後のために、年金を増額できる「国民年金基金」についてポイントを絞ってわかりやすくご紹介するぞ!
目次

国民年金基金は公的な年金上乗せ制度

国民年金基金は、フリーランスや自営業者など「国民年金(第1号被保険者)」の老後資金不足を補うため、1991年に創設された公的な年金上乗せ制度!

ざっくり言うと、フリーランスや個人事業主の方が将来もらえる「年金」をちょっと増やすための制度です。

会社員や公務員は厚生年金(2階建て)に自動加入ですが、フリーランス(個人事業主)にはこの「2階部分」がありません。

将来もらえる年金を増やせる

そこで、任意加入で自分自身の将来年金を増やせる仕組みが「国民年金基金」です!

ちなみにこの制度、厚生労働省が管理している公的な仕組みなので、いろいろな税制優遇も受けられます。

ただし、加入は義務ではなく、やりたい人だけが入る仕組みになっているのが嬉しいところです!

国民年金に関してはコチラの記事をチェック!

国民年金基金の仕組みと加入条件

年齢は20歳〜60歳未満で、かつ、国民年金をきちんと納めている人が対象です。

加入対象者20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者(自営業者、フリーランス、学生等)
加入条件国民年金保険料の未納がないこと
加入は任意希望者のみ加入
掛金・プラン終身年金(A・B型)、確定年金(Ⅰ~Ⅶ型)など複数プランから選択。1口目は終身年金が必須
受給開始原則65歳から(60歳からの繰上げ受給も可能だが減額)

会社員(第2号)や、その扶養に入っている配偶者(第3号)は対象外なので注意しましょう!

➀終身年金で「長生きリスク」に強い

国民年金基金の最大の特徴は「終身年金」が基本設計になっている点です。

これは、65歳から年金の受給が始まると、生きている限り一生涯、毎月決まった年金額が自動的に振り込まれるという仕組みです。

例えば、85歳、90歳で年金がストップしてしまう制度だとすると、その後の人生をどう過ごしますか?

長生きした場合でも、「長生きしすぎてお金が尽きるかも…」という不安がないのは安心ですね。

平均寿命が延びる現代において非常に大きな安心材料といえます。

日本は長寿社会、老後の資金不足リスクが拡大

日本人の平均寿命は2023年時点で女性87.14歳、男性81.09歳と世界トップクラス。

今後も寿命は延びる傾向にあり、人生100年時代とも言われています。

退職後の生活が20年以上続く人も増え、「老後資金が尽きる」=「長生きリスク」が現実的な問題になっています。

終身年金は、90歳でも100歳でも、受給者が生きている限り、年金が支給され続けます。

国民年金基金の終身年金は、「長生きすればするほど得をする」仕組みであり、人生100年時代の「長生きリスク」に最も強い公的年金制度の一つです。

老後の資金不足が心配なフリーランスや自営業者にとって、安定した生活基盤を築くための強力な選択肢となります。

➁節税効果が絶大

国民年金基金の最大のポイントは、支払った掛金の全額が「社会保険料控除」として所得控除されることです。

これは、民間の個人年金保険(最大4万円の控除)生命保険料控除よりも圧倒的に有利な仕組みです。

所得税・住民税が大幅に軽減されます。

掛金の上限は、iDeCo・付加年金と合算で月7万5,000円まで(2025年改正後)。

所得税と住民税の両方で控除されるため、年収が高いほど節税効果が大きくなります

所得控除についてはこちらをチェック

節税シミュレーションで見る実際の効果

たとえば、課税所得400万円の方が年間30万円の掛金を払った場合を考えてみましょう!

  • 所得税率 20%
  • 住民税率 10%

として考えてみます。(詳細は税理士にお聞きください)

所得税率20%+住民税率10%=合計30% なら

30万円 × 30% = 9万円の税金が軽減されます。

実質21万円の負担で30万円の積立ができる計算です。

長い目で見よう!

20歳で加入し、40年間積み立てた場合、生涯でどのくらいの税軽減効果が得られるでしょうか?

なるべく早く加入するほうがお得になる制度といえます。

受給時も「公的年金等控除」で有利

将来、国民年金基金から年金を受け取る際も、「公的年金等控除」が適用されます。

これにより、受給額のうち一定額までが非課税となり、受取時の税負担も大きく軽減されます。

たとえば65歳以上なら、年金収入110万円までは非課税

それ以上でも段階的に控除額が増えるため、受取時の税金が大幅に抑えられます。

将来の年金受取時も「公的年金等控除」が適用され、税負担が軽減されます。

控除額の具体例(2025年現在)

65歳以上の場合

年金収入控除額
330万円未満110万円
330万円以上410万円未満年金額×25%+27万5,000円
410万円以上770万円未満年金額×15%+68万5,000円
770万円以上1,000万円未満年金額×5%+145万5,000円
1,000万円以上195万5,000円

65歳未満の場合

年金収入控除額
130万円未満60万円
130万円以上410万円未満年金額×25%+27万5,000円
410万円以上770万円未満年金額×15%+68万5,000円
770万円以上1,000万円未満年金額×5%+145万5,000円
1,000万円以上195万5,000円

たとえば、65歳以上で年金収入が150万円の場合、110万円が控除され、課税対象は40万円のみとなります。

他の所得が多い場合の注意点

年金以外の所得が多い場合(1,000万円超など)は、公的年金等控除の額が段階的に減少します。

ただし、年金のみや年金以外の所得が1,000万円以下であれば、上記の標準控除額が適用されます。

民間年金との違い

国民年金基金の年金は「公的年金等控除」の対象です。

しかし、民間の個人年金保険などはこの控除が適用されず、雑所得として課税されます。

このため、国民年金基金のほうが受取時の税制面で圧倒的に有利です。

➂7つの給付タイプから自由に設計できる

国民年金基金の最大の特徴のひとつが、「自分のライフプランや家計状況に合わせて、給付タイプや掛金を柔軟に設計できる」点です。

具体的には、以下のような選択肢があります。

1口目は、必ず「終身年金A型」または「終身年金B型」から選択。

2口目以降は、「A型」「B型」に加え、「確定年金(Ⅰ型~Ⅴ型)」を含む全7種類から自由に組み合わせ可能です。

給付タイプの主な特徴

タイプ受給開始年齢受給期間保証期間主な特徴
A型65歳終身15年亡くなっても15年保証あり
B型65歳終身なし保証期間なしで掛金が安い
Ⅰ型65歳15年15年確定年金、15年間必ず受け取れる
Ⅱ型65歳10年10年確定年金、10年間必ず受け取れる
Ⅲ型60歳15年15年60歳から受給開始、15年確定
Ⅳ型60歳10年10年60歳から受給開始、10年確定
Ⅴ型60歳5年5年60歳から受給開始、5年確定

「受給開始年齢」や「保証期間」、「遺族保障」の有無など、ニーズに応じて選択できます。

掛金・年金額の調整が自在

掛金は、1口単位で増減可能

2口目以降は、将来の収入や生活状況に合わせて増やしたり減らしたりできます。

年金額も掛金に比例して増減します。

多く積み立てれば将来の年金額も増える仕組みです。

上限は月額68,000円(2025年からは75,000円)まで。

他の制度(iDeCo・付加年金)と合算での上限です。

ライフステージや家計の変化に対応

若い時は少額で始め、余裕ができたら口数を増やすなど、家計に合わせて調整可能。

受給開始年齢や受給期間も選べるので、「早めに年金が欲しい」「一生涯の安心が欲しい」など、目的に応じた設計ができます!

遺族への保障重視なら「A型」、コスト重視なら「B型」など、家族構成やリスク許容度に応じて選択できます。

途中の変更・見直しも柔軟

先生先生
1口目(終身年金)は減額や脱退ができないので、最初の設計が重要です
にゃん八にゃん八
ただし、2口目以降の「増減・停止」は自由だぞ
カトウカトウ
国民年金基金は、終身年金・確定年金を組み合わせて「自分だけの年金プラン」を作れる柔軟性が最大の魅力ということでいいですか?
先生先生
そうです!
収入や家族状況の変化、老後のライフスタイルの希望に合わせて、「掛金」「受給開始年齢」「受給期間」「遺族保障」などを自由に設計できるのがポイントです!
にゃん八にゃん八
将来の不安や家計の変動にもしっかり対応できる仕組みとなっているのが安心だな!

④遺族保障もカバー

国民年金基金は「もしも」の時も安心。

年金受給前に死亡した場合は「遺族一時金」、保証期間付きプランなら期間中の死亡でも遺族に「年金または一時金」が支払われます。

これは、民間の個人年金保険と同じく、加入者の死亡リスクに備えた「保険的役割」を果たしています。

年金受給前に亡くなった場合

保証期間のあるプラン(A型、Ⅰ型~Ⅴ型)

「加入時年齢」「死亡時年齢」「掛金納付期間」「加入プラン」に応じて遺族一時金が支給されます。

たとえば

30歳でA型に加入し、40歳で亡くなった場合、遺族一時金は約86万円

この場合、掛金総額を下回る場合もありえます。

保証期間のないB型プラン

年金受給前に亡くなった場合は、掛金納付期間に関わらず一律1万円の一時金のみ支給

年金受給開始後に亡くなった場合

保証期間内の死亡(A型・Ⅰ型~Ⅴ型)

残りの保証期間に応じた年金相当額を、現在価値に割り引いて一時金として遺族に支給。

保証期間終了後やB型プランの受給開始後の死亡

一時金の支給はありません。

遺族一時金を受け取れる遺族の範囲と優先順位

遺族一時金を受け取れるのは、死亡時に生計を同じくしていた以下の順番の遺族です。

1配偶者
2
3父母
4
5祖父母
6兄弟姉妹
7その他生計維持関係にある親族(証明が必要)

上位の遺族が受け取ると、下位の遺族は受け取れません。

また、「生計を同じくしていた」ことが条件となります。

遺族基礎年金・遺族厚生年金との違い

国民年金基金の遺族一時金は、「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」とは別枠です。

遺族基礎年金国民年金加入者が亡くなった場合、子のある配偶者や子に支給
遺族厚生年金厚生年金加入者が亡くなった場合、一定の遺族に支給

国民年金基金の遺族一時金は、これらの公的年金とは別に「上乗せ保障」として機能します。

非課税メリット

国民年金基金の遺族一時金は、「相続税」「所得税」の非課税扱いです。

そのため、遺族の手取りが減る心配はありません。

先生先生
国民年金基金は、公的年金の基礎部分(国民年金)だけでは老後資金が不安な自営業者やフリーランスのための「上乗せ年金」でした。
カトウちゃんどうだった?
カトウカトウ
「終身年金」「税制優遇」「プランの柔軟性」「遺族保障」など多くのメリットがあり、老後の生活設計を安定させる有力な選択肢と感じました!
にゃん八にゃん八
一方で、インフレリスクや途中脱退不可などの注意点もある。
他の制度と比較しながら、自分のライフプランに合った活用を検討するんだぞ
カトウカトウ
でも正直なところ、年収が何千万もある人には必要ない制度ではないですか?
先生先生
そうかもしれません。
でも、多くのフリーランスや個人事業主の方にとって、老後のことは誰にも分かりません。
将来の保険として考えてはどうでしょう?
にゃん八にゃん八
今回の「国民年金基金」は、そのベース作りにぴったりな選択肢といえるな
先生先生
その上で、「iDeCo」や「NISA」など、リスクはあってもリターンの可能性がある仕組みを上乗せとして使っていくのも、バランスの良い考え方だと思います
カトウカトウ
iDeCo? NISA?
先生先生
説明はまだだったかしら?
にゃん八にゃん八
次回は、iDeCoやNISAの解説をしていくぞ!

フリーランスは金銭面のリスクといつも隣り合わせ

会社員の時と違って、自由な働き方ができる反面、金銭面のリスクといつも隣り合わせ。

そんな世の中だからこそ、「国民年金基金」は将来のためのありがたい存在といえます。

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