映画2001年宇宙の旅にも関わった!?人工知能の父「マービン・ミンスキー」

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀「人工知能(AI)の父」の一人、マービン・ミンスキー博士の生涯と功績を紹介。

➁世界初の学習AI「SNARC」開発や、AI研究の停滞期「AI冬の時代」を招いた『パーセプトロン』出版など、AI史に大きな影響を与えた。

➂「心は単純な機能(エージェント)の集合体」とする『心の社会』理論は、現代のAI開発にもインスピレーションを与え続けている。

対象:フリーランスエンジニア以外にも読んで欲しい記事


人工知能の父はだれ!?

戦士戦士
最近、ChatGPTとか画像生成AIとか、AIの進化がスゴすぎませんか?
スライム師匠スライム師匠
ワシの若い頃にはSFの世界じゃったが、今や「自動運転」から「お掃除ロボット」、果ては「作曲」まで、AIは生活に欠かせん存在になったのう
戦士戦士
こんなスゴい「人工知能」って、一体誰が考え始めたんですか?
聖徳聖徳
この4人でおじゃる
・マービン・ミンスキー
・ジョン・マッカーシー
・アレン・ニューウェル
・ハーバート・サイモン
スライム師匠スライム師匠
この4人が「人工知能の父たち」と呼ばれることが多いんじゃ
聖徳聖徳
その中でもミンスキー博士は、特に「人間のように考える機械」の基礎理論と、AI研究の”聖地”を作った人物として知られておる~
スライム師匠スライム師匠
今日はそのレジェンド、「マービン・ミンスキー」博士について語っていこうかのお!
目次

AI界のレジェンド「マービン・ミンスキー」とは何者?

コンピュータの歴史には「○○の父」と呼ばれる偉人がたくさんいますが、今回ご紹介する人物は今熱いAI分野。

彼はアメリカのコンピュータ科学者であり、認知科学者。

一般的に「人工知能(AI)の父」の一人として、その名を歴史に刻んでいます。

天才のルーツは「自動ピアノ」と「無駄な箱」!?

マービン・リー・ミンスキーは1927年、ニューヨークのユダヤ人家庭に生まれます。

お父さんは医者、お母さんは活動家というインテリ一家でした。

そして、ミンスキーは幼いころから、創意工夫が好きな子供で、一番のお気に入りだったおもちゃは、「自動ピアノ」でした。

スライム師匠スライム師匠
幼い頃から彼は「仕組み」に取り憑かれた子供で、特に夢中になったのが「自動ピアノ」だったそうじゃ
戦士戦士
自動ピアノ?
あの、勝手に鍵盤が動くやつですか?
スライム師匠スライム師匠
そうじゃ。
ミンスキーは、穴の空いたロール紙が「情報」となり、それが「物理的な動き(演奏)」に変わる仕組みに魅了された
聖徳聖徳
ミンスキーは後に、この幼いころに味わった達成感が、人工知能に魅せられる原点だったと語っておる~
スライム師匠スライム師匠
「知性とは何か?」「どうすれば”思考”を機械に組み込めるか?という彼の生涯のテーマは、この自動ピアノが原点だったのじゃ

兵役の後、アカデミックの道へ

ミンスキーは、マサチューセッツ州にある一流進学校「フィリップス・アカデミー」で学んだ後、第二次大戦に従軍しました。

およそ2年の兵役の後、ミンスキーはさっそく、念願だったアカデミックの道へ足を踏み入れます。

まずは「ハーバード大学」、そして「プリンストン大学」で数学を研究。

1958年からはマサチューセッツ工科大学に籍を置き、世界初の本格的なAI研究機関「MIT人工知能研究所(AIラボ)」を設立します。

共同設立者として、同じく人工知能研究の権威である「ジョン・マッカーシー」がいました!

聖徳聖徳
ここでもう一つ、彼のユーモアと哲学が爆発した豆知識がある。
た「無駄な機械(Useless Machine)」でおじゃる
戦士戦士
む、無駄な機械…?
スライム師匠スライム師匠
 「箱のスイッチを『ON』にする。すると、箱からニョキッとアームが出てきて、そのスイッチを『OFF』にして、また箱に引っ込む」
…ただそれだけの機械じゃ。
戦士戦士
まさに無駄!
意味ねえな!
スライム師匠スライム師匠
フフフ。
「意味とは何か?」「目的とは何か?」を問いかける、哲学的ジョークじゃな。
ミンスキーはこういう遊び心満載の「ハッカー精神」の持ち主でもあったんじゃ

人工知能に至る思考プロセスの歴史

ここでプチブレイク。

ところで、人工知能という発想は、ミンスキーが初めて思いついたものではありません。

実は、「機械に知性を持たせる」という発想自体は、古代から存在していたのです。

それでは、人類はどのような思考プロセスを経て、「人工知能」に思い至ったのでしょうか?

道具=体の能力を補ってくれるもの

人間を他の生き物と区別する要素として、「道具を使う」という行為がよく挙げられます。

人間にとって、「道具」とは「自己の身体機能を補ってくれるもの」でした。

たとえば、足の速い獲物に負けない「弓」や「槍」、固い土を砕く「鋤(すき)」や「鍬(くわ)」などです。

道具=人間に代わって作業をしてくれるもの

産業革命以降になると、今度は「人間の手作業を、道具に任せられないか」という考えに至ります。

イギリスの機織り機を皮切りに、「人間よりも正確な作業」を”休みなし”で出来る機械が、次々と発明されていきました。

こうして、機械は、人間に代わって肉体労働を行うようになります。

道具=知的作業は可能なのか?

機械のおかげで、人間は、以前よりもはるかに便利な生活を享受できるようになりました。

ここで、機械に新たな可能性を見出す潮流が生まれます。

そう、「機械に知的作業は可能なのか?」ということです。

機織り機は確かに便利ですが、人間の「手」の代わりに作業をこなすだけです。

デザインや色を考え、機械に命令を出すのは人間です。

「手」が再現できるのならば、人間の「頭脳」も再現できるのではないか?

この考えが、後の「人工知能」に結びついていったのです。

戦士戦士
「人工知能」という考えは、ミンスキーが思いついたのはなく、古代からあったのか!
スライム師匠スライム師匠
人間は昔から、楽したい生きものなのじゃ(笑)
戦士戦士
大昔からある発想を、人類はついに形にできたと考えると胸アツだわね
スライム師匠スライム師匠
うむ!
ミンスキーの功績は山ほどあるが、AIの歴史を語る上で絶対に外せない「ヤバい」功績を3つ紹介しよう

功績1:世界初の「学習するAI」を作っちゃった (1951年)

「人間の頭脳を再現する」にあたり、研究者が注目したのは「ニューロン」です。

脳内の神経細胞「ニューロン」は、ほぼ自動的に組織化されています。

これを「脳内リレー」と見なし、アルゴリズムとしてプログラム化すれば、機械に知性を与えることが出来るというわけです。

1943年、ウォルター・ピッツとウォーレン・マカロックが、モデル化した人工ニューロンのネットワークを分析した「A Logical Calculus of the Ideas Immanent in Nervous Activity」を発表します。

これが、ニューラルネットワーク研究の先駆けです。

当時24歳の学生だったミンスキーは、この論文に大いに感銘を受けました。

世界初のニューラルネットワーク学習マシン「SNARC」

それから8年後の1951年、ミンスキーは、ニューラルネットワークを利用した学習マシン「SNARC」を開発。

SNARCは、「Stochastic Neural Analog Reinforcement Calculator(確率的ニューラルアナログ強化学習計算機)」の略。

人間の脳の神経細胞(ニューロン)が電気信号で繋がっている仕組みを、電子回路でマネしたもので、これが、世界初の「自己学習人工知能」です。

このマシンは、仮想の「迷路」を解くネズミをシミュレートし、失敗から学んで(強化学習)、だんだん賢くなっていく能力を持っていました。

人間並みに賢い機械

1960年、ミンスキーは、「人工知能の実現可能性について」の論文を書いています。

コンピュータは、人間の命令を忠実に実行する。
ある問題の解決法が見つからない時、人間は解決法を探すよう、プログラムでコンピュータに命じることが出来る。
しかし、下手なプログラムでは、コンピュータに無駄な時間を使わせるだけだ。
だが、パターン認識法を取り入れれば、コンピュータはずっと効率よく仕事をこなせる。
コンピュータは頭が良いからね。以前の仕事を思い出して、効率的に仕事をこなそうとする。
そう、プランニングだよ。
この方法によってコンピュータは、改良を重ねていくんだ

これは、ミンスキーの人工知能に対する考え方を最もよく表しており、コンピュータを「命令を忠実に実行する」だけではなく、その限界を超えるものになると予想していたのです。

戦士戦士
1951年って、もう70年以上も前じゃないですか!
そんな時代に「学習するAI」が…!?
スライム師匠スライム師匠
そうじゃ。
ミンスキーは「人間の頭脳も、膨大な数のニューロンが繋がった機械にすぎない」という視点で、脳の再現に挑んだんじゃ
聖徳聖徳
ちなみにミンスキーは、ガチガチの科学者であると同時に、ガチのSFファンでもあったのである~ 。
特に有名なのが、SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』(1968年)でおじゃる
スライム師匠スライム師匠
監督のスタンリー・キューブリックは、リアルなAI(反乱するコンピュータ「HAL 9000」)を描写するため、当時AI研究のトップだったミンスキー博士にアドバイスを求めたんじゃ
戦士戦士
あの「ハル」の誕生に関わってたんですか!
スライム師匠スライム師匠
ミンスキーは「AIが人間並みの知性を持つのに、どれくらいかかるか?」と聞かれ、「だいたい1世代(30年)くらいかな」と答えたそうじゃ

功績2:『パーセプトロン』と「AI冬の時代」 (1969年)

当時、AI研究には2つの大きな流れがありました。

  • ミンスキーのAI:論理や記号を使って、人間の「推論」のプロセスを再現しようとする流れ
  • ローゼンブラットのAI:脳の神経回路(ニューラルネットワーク)を重視する流れ

ミンスキー博士は、同僚のシーモア・パパートと共に、ニューラルネットワークの限界を数学的に証明した本『パーセプトロン』を出版します。

ニューラルネットワークは、当時「パーセプトロン」と呼ばれていました。

この本は「パーセプトロンには、単純なXOR問題すら解けない」という致命的な欠陥を暴きました。

この批判があまりにも強烈すぎたため、世界中の研究機関や政府は「なんだ、ニューラルネットワークって無意味じゃん」と判断。

関連する研究予算がバッタリと途絶えてしまいました。

スライム師匠スライム師匠
これが、AI研究が停滞した「第1次AI冬の時代」の大きなキッカケになったと言われておる
戦士戦士
うわぁ…
良かれと思って書いた本が、逆にAIの進化を止めちゃったんですか…
スライム師匠スライム師匠
皮肉なもんじゃが、ここがミンスキーの面白いところじゃ。
彼は「人工知能の父」でありながら、一度「AIの歴史を(意図せず)ストップさせた男」でもあるんじゃ。
しかし、このおかげでAI研究は別の方向に進化したんじゃ
聖徳聖徳
ミンスキーが批判した「ニューラルネットワーク」は、後にその限界を克服する「ディープラーニング」として復活を遂げるのである~

功績3:天才の頭の中を理論化!「心の社会」

彼の最大の功績として、多くの研究者が挙げるのが、1986年に出版された著書『心の社会(The Society of Mind)』です。

「人間の心や知性とは何か?」という究極の問いに、ミンスキーが叩き出した答えです。

彼は「心は、一つの賢い『何か』ではない」と言った。

そうではなく、「たくさんの“単純な機能”しか持たない『エージェント(代理人)』たちが、集まって(社会)、ワイワイガヤガヤやってる状態」こそが「」だ、と。

例えば、「リンゴを手に取る」という単純な動作にも、

  • 「手を伸ばす」エージェント
  • 「モノを掴む」エージェント
  • 「バランスを取る」エージェント
  • 「形を認識する」エージェント

…といった無数の「アホな」エージェントが連携して働いている。

そして「意識」とか「自己」というのは、そのエージェントたちの「社長」や「管理人」のようなものだ、と考えたのです。

戦士戦士
一人の天才が全部やってるんじゃなくて、たくさんの凡人が集まってスゴいことを成し遂げてる、みたいな感じですかね?
スライム師匠スライム師匠
うむ!
人間社会も同じともいえるから、脳は興味深いな
聖徳聖徳
この「複雑な知性は、単純な機能の集合体である」という考え方は、現代のAI開発に巨大なインスピレーションを与え続けているでおじゃる
スライム師匠スライム師匠
特に、最近進化している自律型エージェントの考えに影響を与えておる
戦士戦士
心はポンコツ専門家の集まり」ってことか
スライム師匠スライム師匠
うむ。
あの「無駄な機械」を作った遊び心といい、物事の本質を全く違う角度から見抜く力こそが、ミンスキーの真骨頂じゃ
戦士戦士
私の中のポンコツエージェントが「寝たい」と「ゲームしたい」って言っている…
スライム師匠スライム師匠
さっさと仕事しなさい
戦士戦士
でもほら、身体が勝手に
スライム師匠スライム師匠
お主には「勉強するエージェント」はいないのか!
ミンスキーのように、好奇心を持ちなさい!

人工知能研究に生涯を捧げたミンスキー

以下は、1981年にある雑誌が、ミンスキーにインタビューしたものです。

なぜ人工知能の研究を選んだのか」という問いに、ミンスキーはこう答えました。

実を言うと、遺伝学や物理学にも興味を持ったんだ。
当時、遺伝の仕組みは、まだよくわかっていなかったからね。
だが、私が追い求めるような奥深さは、そこにはなかった。
物理学もいいとは思ったが、人工知能の問題はなかなか難しそうだった。
そこが良かったのさ。
結局私は、人工知能以外の分野にそこまで深入りすることは無かったね

2016年1月24日、ミンスキーは脳出血により、88歳でこの世を去りました。

彼は生涯を「知性とは何か?」という最も難解な問いに捧げました。

彼が蒔いた「遊び心」と「探究心」の種は、今や巨大な花を咲かせ、我々の生きるこの世界を、根底から変えようとしています。

人工知能研究に偉大な貢献をしたミンスキー。

多くの研究者たちが彼の遺志を継ぎ、現代のAI開発を盛り上げています。

平均収入は約765万円 !

マービン・ミンスキーのような天才が今のITの可能性を引き上げ、今や、ITエンジニアは不可欠な存在となりました。

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①マージンが最大10万円で業界最安値水準記事
②支払いサイトは15日で業界トップクラス記事
③公平性と透明性を重視したお取引記事
④エージェントは人柄を重視記事
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