HTMLの元となった「ハイパーテキストの父」テッド・ネルソン

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀「ハイパーテキスト」の概念はテッド・ネルソンが生み出し、WebやHTMLの基礎となった。

➁ネルソンはザナドゥ計画などで理想のハイパーテキストシステムを追求し、情報の自由やデジタル民主主義を提唱した。

➂その思想は現代のWebや情報社会に大きな影響を与え、今も進化し続けている。


カトウカトウ
HTMLってなんの略?
にゃん八にゃん八
HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ言語)だな
カトウカトウ
じゃあ、「ハイパーテキスト」ってなに?
にゃん八にゃん八
は…!
そんな時は、先生を呼ぼう!
先生、せんせー!
聖徳聖徳
はい、聖徳なり~。
ハイパーテキストは、まるで本のページが空中に浮かんでいて、どこからでも好きなページにジャンプできるようなものである~
カトウカトウ
よう分からん…
聖徳聖徳
「ハイパーテキスト」という言葉を最初につくったのは、テッド・ネルソンという人物である~。
ネルソンの両親はどちらも著名人である~
にゃん八にゃん八
母親は映画女優のセリア・ホルムで、父親は監督・脚本家のラルフ・ネルソン。
そんな家庭環境もあり、「ハイパーテキスト」の考えに繋がっていったと言われているぞ!
カトウカトウ
全っ然わかんない!
ハイパーテキストって一体なんのー!?
目次

ハイパーテキストを生み出した「テッド・ネルソン」

今では、すっかり身近なものとなったWebサイト。

Webサイトは、主に「HTML」という特別な言語で書かれています。

HTML(HyperText Markup Language)は、ハイパーテキストを「記述するためのマークアップ言語」です。

システム人文学者「テッド・ネルソン」

そうなると、ハイパーテキストとは何でしょう?

「ハイパーテキスト」は日本語にすると「超・文書」。

その言葉を最初につくったのは、アメリカの社会学者であり思想家でもあるテッド・ネルソンという人物です。

1937年、テッド・ネルソンはアメリカ・イリノイ州シカゴに生まれました。

テッド・ネルソンは、哲学や社会学を学びながら、出版や劇場、映画の世界でも活動していました。

彼はもともと技術者ではなく、メディアや文学、哲学に強い関心を持つ「システム人文学者」を自称しています。

人類の新しい表現の場

聖徳聖徳
そんな彼がコンピュータと出会ったのは、ハーバード大学大学院時代なのである~
にゃん八にゃん八
1960年代初頭、まだごく一部の研究者しか触れることができなかったコンピュータの「インタラクティブな画面」に、ネルソンは未来のメディアの姿を見出したんだ
聖徳聖徳
これこそが人類の新しい表現の場になる」と感じたのである~
カトウカトウ
時代はまさにそうなりましたよね!
まさに預言者!
にゃん八にゃん八
ネルソンは、情報を単なる紙の本のように順番に読むのではなく、好きなところから好きな情報に飛び込める「超・文書」の世界を夢見るようになったんだ

「予言者」であり「扇動者」

ハイパーテキスト

彼には、コンピュータは万能の機械に見えていて、「コンピュータは未来のメディアになる」と考えていました。

1963年、ネルソンは「ハイパーテキスト」と「ハイパーメディア」という言葉を生み出し、1965年には「ハイパーテキスト」の考えをアメリカの学会で発表。

彼が描いたハイパーテキストのイメージは、まるで本のページが空中に浮かんでいて、どこからでも好きなページにジャンプできるもの。

しかも、それぞれのページはリンクで結ばれ知識や情報がネットワーク状につながっているのでした!

Memex

この構想には、1945年にヴァネヴァー・ブッシュが提唱した「Memex」という知識管理装置のアイデアも色濃く影響しています。

ネルソンは、ブッシュの「人間の思考を拡張する道具」という発想に共鳴し、コンピュータを使ってそれを実現しようとしたのです。

彼は、技術者というより「予言者」であり「扇動者」でした。

ザナドゥ計画――理想のハイパーテキストを求めて

ネルソンのビジョンを具現化するための壮大なプロジェクトが「ザナドゥ計画(Project Xanadu)」です。

1960年にスタートしたこの計画は、世界初のハイパーテキストシステムの開発を目指したものでした。

ザナドゥが目指したのは、単なるリンク機能にとどまらず「双方向リンク」「バージョン管理」「知的財産権の管理」、

さらには「トランスクルージョン(transclusion)」と呼ばれる、他の文書の一部をリアルタイムで引用・埋め込みできる仕組みなど、現代のウェブですらまだ実現しきれていない高度な機能を備えたものだったのです!

にゃん八にゃん八
しかし、その開発は困難を極めた…
聖徳聖徳
資金難や技術的な壁、チームの分裂、度重なる仕様変更などうまくいかないことだらけだったのである~
にゃん八にゃん八
ザナドゥ計画は「史上最長のベーパーウェア(幻のソフト)」と揶揄されたほどだ…
カトウカトウ
それでもネルソンは諦めず、ザナドゥの実現に情熱を注ぎ続けたのね!

影響と“Web”への継承

ザナドゥ計画のソフトウェア自体は、最終的に商業的な成功を収めることはありませんでした。

しかし、その思想は多くの技術者や研究者に強烈なインパクトを与えます。

特に、ティム・バーナーズ=リーが1989年に提唱したWorld Wide Web(WWW)は、ネルソンのハイパーテキスト構想に大きな影響を受けて誕生しました。

ティム・バーナーズ=リーについてはコチラ!

バーナーズ=リーはWebを「現実的なハイパーテキストシステム」として実装し、世界中に情報のネットワークを広げました。

その後、自らハイパーテキスト開発プロジェクトを立ち上げましたが、具体的なソフトウェアを完成させることはできませんでした。

しかし、ネルソンの提唱した「ハイパーテキスト」の概念は多くの人々に影響を与えたのです!

聖徳聖徳
ハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェアは「HyperCard」である~
にゃん八にゃん八
HyperCardは、1987年にアップルコンピュータのビル・アトキンソンが開発したぞ!
カトウカトウ
HyperCardってなに?
にゃん八にゃん八
HyperCardは、「スタック」というファイルを組み合わせてアプリケーションを作るツールで、簡単なデータベースやパラパラ漫画などが作成できたんだ
カトウカトウ
パラパラ漫画?
聖徳聖徳
「カード型」の画面構造を活かして1枚1枚異なる絵を描き、それらを順番に切り替えて表示することでアニメーションを作っていたのである~
にゃん八にゃん八
HyperCardでアニメーション作品(パラパラ漫画)が多数作られ、フロッピーディスクで販売されたり、ネット上で公開されたりしていたんだぞ(笑)
聖徳聖徳
こうした作品を作る人たちは「スタック作家」と呼ばれ、単なるデータベースや業務ツールの枠を超え、クリエイティブな表現の場にもなっていたのである~

デジタル民主主義と現代へのメッセージ

1974年、ネルソンの著書「Computer Lib」で、パソコンの普及と個人参加型のデジタル民主主義をいち早く予見しています。

彼は、情報技術が一部の専門家だけのものではなく、すべての人の手に渡るべきだと主張し、デジタル文化の民主化を提唱しました。

その後もネルソンは、知識や情報の相互関連性(Intertwingularity)、電子書籍システムの概念構造(Virtuality)、そして、AI時代における情報の自由と創造性など、さまざまな新しい概念を提案し続けています。

日本との深い関わりと、今も続く挑戦

また、ネルソンは日本とも深い縁があり、慶應義塾大学で博士号を取得し、同大学の客員教授も務めています。

2024年には慶應義塾大学サイバー文明研究センターの招きで来日し、現代のAI社会や情報文化におけるハイパーテキストの意義について講演を行っています。

現在もザナドゥ計画は「OpenXanadu」としてオープンソース化され、PDFの置き換えを狙うなど、ネルソンの理想は進化し続けています。

テッド・ネルソンの「夢」の現在地

カトウカトウ
「ハイパーテキスト」の概念は、今では普通に使っているから当たり前。
だけど、よくよく考えてみると最初に考えたのはすごいわね!
にゃん八にゃん八
そうだな!
その概念が無ければ、今のWEBはここまで発展しなかったのは間違いない!
聖徳聖徳
Webを生み出したHTMLについて、実は、「自分の理想とは違う」と語っておる~
カトウカトウ
え、そうなの!?
にゃん八にゃん八
ネルソンは「自分の構想を単純化しすぎている」「Webの一方向リンクや壊れやすいリンク構造、著作権管理の不十分さ」などを批判したんだ
聖徳聖徳
ネルソン自身は、Webを「自分の理想のごく一部しか実現していない」と評しつつも、現代の情報社会の基盤となったことを誇りに思っているのである~
カトウカトウ
なるほど。
テッド・ネルソンの描いた未来は、私たちの日常に深く根付いているからね
にゃん八にゃん八
彼の思想は、単なる技術の話にとどまらなかった。
「知識や情報は誰もが自由に、創造的に使えるべきだ」という、情報社会の根本的な価値観をも形作ってきたのだ
聖徳聖徳
ネルソンが生み出したハイパーテキストの精神は、今も新しい世代のエンジニアやクリエイター、研究者たちに受け継がれているのである~
カトウカトウ
ネルソンのビジョンと情熱は、これからも世界の情報文化を刺激し続けることは間違いなさそうね!

今後もネルソンの思想を受け継いでいく開発者のあなたへ

Web開発の仕事は楽しいけど、アレもコレもで時間がない…

というのが本音ですよね。

そんな1人で戦い続けるフリーランスエンジニアにとって、心強い味方がいます。

あなたの強みを引き出し、長期的にフリーランスとして第一線で活躍し続けられるようにサポートしている「エージェント」の存在です。

エージェントの仕事

  • 案件獲得までの営業を完全代行
  • 本業だけに集中できるようにサポート
  • 案件の利益が最大限になるように交渉してくれる

エージェントと契約するということは、あなたの収入を上げる契機でもあるのです!

エージェントによって手取りが変わる!?

そんな収入UPを目指す方のために、「マージンが最大10万円」という業界最安水準の画期的なエージェントサービスがあります。

このサービスを運営している代表は、現在、14期目のIT企業「ライトコード」の経営者ですが、当時はフリーランスとして大手有名WEBサービスなどで活躍していました。

その中で、自身も不透明なマージンに苦しんだ経験がありました。

業者によってマージン率は様々で、内訳を公開していないことがほとんど。

未だに旧態依然とした状態が続く業界に一石投じるために、エンジニアへの利益還元と透明性を最優先に考えてスタートしたのが「ITANKEN(IT案件.com)」です!

エンジニアの手取りUPを実現させる5つのお約束

ITANKENのポイントはこの5つ。

①マージンが最大10万円で業界最安値水準記事
②支払いサイトは15日で業界トップクラス記事
③公平性と透明性を重視したお取引記事
④エージェントは人柄を重視記事
⑤開発責任者は元フリーランス記事

仕事内容や単価などでお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談くださいませ!

以下ボタンより、4つの項目に答えるだけの簡単登録(無料)のみでご利用いただけます。

最後まで読んでくれた方へ

現在、お祝い金キャンペーン実施中です!

ITANKENをご利用いただいたフリーランスの皆様への感謝の気持ちとして、案件稼働1ヶ月経過後の初回報酬支払い時に、現金30,000円をプレゼント中!

申請手続きは不要で、対象の方には自動で指定口座に振り込まれます。

関連記事

Webの生みの親はこの方!

人気記事

シェアを待っておるぞ✨
目次