2割特例と簡易課税制度はどっちが節税になるのか?

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀インボイス制度の「2割特例」は、2023年10月から3年間限定で免税事業者が課税事業者になる負担を軽減し、売上にかかる消費税の2割だけを納めればよい特例制度。

➁簡易課税制度は業種ごとのみなし仕入率により消費税を簡単に計算できる制度で、申請が必要。

➂フリーランスなど仕入れが少ない事業者は2割特例が節税効果が高い可能性が高い。ただ、期間終了後は業種や経費状況に応じて選択が必要。


スライム師匠の居残り補習教室

勇者勇者
インボイス制度の2割特例のおかげで税金が安く済んだ…気がする
魔導士魔導士
節税効果を全然理解してないアルな。
節税には「簡易課税制度」ってのもあるアル
勇者勇者
簡易課税度ってなんだっけ?
スライム師匠スライム師匠
簡易課税制度とは、業種ごとに決められた割合で簡単に消費税の納税額を計算できる制度じゃな
勇者勇者
全然覚えてない…
ちなみに、スライムのじっちゃん!
2割特例と簡易課税制度だとどっちがお得になるんだ?
スライム師匠スライム師匠
業種などによって、一概には言えん!
が、フリーランス勇者の場合は「2割特例が有利」になる可能性は高そうじゃ!
今回は、インボイス制度の2割特例と簡易課税制度はどっちがお得になるか考えてみるかの!
目次

インボイス制度の2割特例を簡単におさらい

インボイス制度とは、2023年10月1日より始まった制度です。

免税事業者はインボイスが発行できないため、インボイス制度が始まったことにより課税事業者が増えました。

インボイス制度についてよく分からない方はこちらをチェック

インボイス制度導入後に免税事業者がインボイス発行事業者となった方が対象で、負担を軽減するために「2割特例」という措置があります。

2割特例とは、売上にかかる消費税の2割を納税するという簡単な計算方法です。

2割特例の期間は、2023年10月1日から2026年9月30日までの3年間となっています。

インボイス制度の経過措置についてはこちらをチェック

2割特例は原則自動適用!

2023年10月1日以降、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった方については、自動的に適用されますので申請などは不要です。

ただし、使いたくないという場合には、届出(不適用届)が必要になります。

簡易課税制度についても簡単におさらい

簡易課税制度とは、業種ごとに決められた割合で消費税の納税額を計算できる制度です。

「あなたの事業はこのくらいの仕入れがあるはず」と国がざっくり決めた割合を使って、納税額を出します。

ざっくり決めた割合のことを「みなし仕入れ率」と言います。

みなし仕入れ率

みなし仕入れ率は、仕入れが多いといわれる業種ほど割合が高いのが特徴です。

以下をチェックして、あなたの業種の数字を確認してみましょう!

第1種事業(90%)卸売業
第2種事業(80%)小売業
農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡にかかる事業に限る)
第3種事業(70%)農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡にかかる事業を除く)
鉱業、建設業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業
第4種事業(60%)第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業、第6種事業以外の事業
第5種事業(50%)運輸通信業、金融業、保険料
サービス業(飲食店業に該当するものを除く)
第6種事業(40%)不動産業

フリーランスエンジニアは「第5種事業(50%)」に該当します。

帳簿管理が楽になるため、経理の負担を減らしたい方にも人気の制度です。

簡易課税を使いたいなら届出が必要!

簡易課税制度は、自動では適用されません。

利用したい場合は、事前に「簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。

ただし、2期前の売上が5,000万円を超えている場合は利用できません。

  • 提出期限:使いたい年の前の年の12月31日まで
  • 提出先:納税地を管轄する税務署

例:2025年に簡易課税を使いたい場合 → 2024年12月31日までに提出!

2割特例と簡易課税は併用できない

意外と見落としがちなのが、この2つの制度は同時に使えないという点!

たとえば、「2割特例のほうが有利なのに、簡易課税制度のほうを申請してしまった…」こんなときでも、どちらか一方しか選ぶことはできません。

また、一度選んだ制度は簡単に変えられません。

今後の事業の見通しも踏まえた選択をすることが大切です。

勇者勇者
で結局、「2割特例」と「簡易課税」のどっちを選べばいいんだ…
スライム師匠スライム師匠
次の章で具体的に説明するから待っとれ!
魔導士魔導士
ちなみに、それぞれの制度が向いている人の特徴はあるのかアル?

「2割特例」がオススメの人

スライム師匠スライム師匠
一概には言えんが、年間の経費がそこまで多くない場合は、2割特例が有利な傾向にある
勇者勇者
フリーランス勇者の場合は、装備宿代くらいしか経費がないぞ
スライム師匠スライム師匠
勇者の場合は、経費が少ない職業だから、2割特例が有利な可能性は高い
魔導士魔導士
フリーランスエンジニアの場合も、PC代やオフィス代くらいしかないから、有利アルな
勇者勇者
フリーランスエンジニアとはなんぞ…!?
魔導士魔導士
こっちの話だから無視するアル
スライム師匠スライム師匠
ちなみに、2割特例は2026年9月までの経過措置だから注意は必要じゃ。
そのあとは、経費の割合をみて、通常通り納税するか、簡易課税制度を選ばねばならん
勇者勇者
頭が混乱してきた!
スライム師匠スライム師匠
そういった人は、簡易課税制度の記事の記事でおさらいするんじゃ!
では、次に簡易課税と2割特例での納税額の違いを具体的に見ていこう!

簡易課税と2割特例での納税額はどれくらい違うの?

それでは、具体的な業種別にどちらの制度が有利なのかを見ていきましょう!

今回は、預かった消費税は100万円だとして計算してみます。

卸売業・問屋などの第1種事業の場合

簡易課税

たとえば、あなたが卸売業をしているとすると、簡易課税のみなし仕入率は「90%」。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 90%)= 10万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

簡易課税が有利!

👑WIN:簡易課税
簡易課税を選んだ方が断然お得!

小売業などの第2種事業の場合

簡易課税

たとえば、あなた小売業をしているとすると、簡易課税のみなし仕入率は「80%」。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 80%)= 20万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

どちらを選んでもほぼ同じ

💩DRAW
簡易課税でも2割特例を選んでもほぼ同じ。2割特例は、期間限定の制度のため、長期的な目で簡易課税を申請するのがオススメ!

製造業・建設業などの第3種事業の場合

製造や建設といった業種では、簡易課税のみなし仕入率は「70%」。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 70%)= 30万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

2割特例が有利!

👑WIN:2割特例
10万円の差が出るため、こちらは「2割特例」を選んだほうがお得!

飲食業・旅館業などの第4種事業の場合

飲食業では、簡易課税のみなし仕入率は「60%」とやや低め。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 60%)= 40万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

2割特例が有利!

👑WIN:2割特例
20万円もの差が出るので、2割特例の優位性がはっきり分かりますね!

サービス業などの第5種事業の場合

デザイン業やサービス業では、簡易課税のみなし仕入率は「50%」とちょうど半分。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 50%)= 50万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

2割特例が有利!

こちらの業種は、仕入れがほとんどない方が多いはず。

その場合、簡易課税と2割特例がどっちも有利になりますが、特に2割特例は期間限定ですが、さらに強力な節税方法ですので使わない手はありません!

とくに「仕入れがない」「身一つで働いている」ようなフリーランスエンジニアの方には、かなりの節税効果が期待できます!

👑WIN:2割特例
30万円の差はかなり大きく、一か月生活できる額になってきました。フリーランスはこの業種に該当する方が多いと思いますが、「2割特例」が圧倒的に有利!

不動産業などの第6種事業の場合

不動産業では、簡易課税のみなし仕入率は「40%」。

納税額=預かった消費税100万円-(預かった消費税100万円×みなし仕入率 40%)= 60万円

2割特例

納税額=預かった消費税100万円 × 20% = 20万円

2割特例が有利!

👑WIN:2割特例
その差なんと40万円。この業種の方は、間違いなく2割特例を選択!

制度の違いを知って、自分に合った選択を!

スライム師匠スライム師匠
勇者はサービス業だから、第5種事業に属する。
復習がてら、計算してみい!
勇者勇者
仮に、売上が1100万円(消費税100万円)で装備や宿代の経費で220万円(消費税20万円)だとすると…
通常は80万円の消費税納税しなきゃダメだってことか
魔導士魔導士
実際は、勇者のムダ遣いが多くてもっとかかってるアルけどな
勇者勇者
おい!
スライム師匠スライム師匠
まあ、ケンカはよすのじゃ
通常の納税の場合は、80万円
第5種事業の勇者は、簡易課税だと50万円の納税、2割特例だと20万円の納税となる
魔導士魔導士
通常の納税に比べて、簡易課税だと30万円、2割特例では60万円の納税の差となったアル!
勇者勇者
こうやって見ると、2割特例が圧倒的に節税になるな!
スライム師匠スライム師匠
ただし、さっきも言ったが、2割特例は期間限定の制度じゃ。
勇者の場合は、2割特例の期間が終わる前に、簡易課税制度を申請して、スムーズに簡易課税に移行できるようにするのが一番お得といえるのじゃ
勇者勇者
なるほどな💡
勉強になったぜ!
じゃあ、スライムのじっちゃん。
節税できたから遊びに行ってくる💨
スライム師匠スライム師匠
…お、おい!
勇者待つのじゃ!
魔導士魔導士
また、バカ勇者の病気が…
スライム師匠スライム師匠
ご、ゴホン!
魔術師よ、読者もいるから締めるのじゃ
魔導士魔導士
納税額がどれだけ変わるかのシミュレーションを行うことで、自分にとってどちらが有利なのかが見えてくるアル
スライム師匠スライム師匠
そのためには、どんな制度があるのか、どんな制度なのか、をまずはしっかり理解することが重要じゃ!

簡易課税か2割特例で悩んでるあなたへ

簡易課税制度は、売上高が 5,000万円以下の事業者だけが使える制度です。

一方で、2割特例も2023年10月1日から2026年9月30日までの3年間の制度。

そんなフリーランスという働き方だからこそ、税金の悩みは尽きません。

そこで、どうしてもお金の不安が消えない方に1つご提案します。

収入を大幅にUPさせませんか?

そりゃ収入は上げたいけど、どうやって、収入をUPさせるの?

そこで頼りになるのが「エージェント」の存在です。

あなたの強みを引き出し、高単価の優良案件をあなたに代わり獲得するのが、エージェントの仕事なのです!

エージェントの仕事

  • 案件獲得までの営業を完全代行
  • 本業だけに集中できるようにサポート
  • 案件の利益を最大化させるために交渉してくれる

エージェントと契約するということは、あなたの収入を上げる契機でもあるのです!

エージェントによって手取りが変わる!?

そんな収入UPを目指す方のために、「マージンが最大10万円」という業界最安水準の画期的なエージェントサービスがあります。

このサービスを運営している代表は、現在、14期目のIT企業「ライトコード」の経営者ですが、当時はフリーランスとして大手有名WEBサービスなどで活躍していました。

その中で、自身も不透明なマージンに苦しんだ経験がありました。

業者によってマージン率は様々で、内訳を公開していないことがほとんど。

未だに旧態依然とした状態が続く業界に一石投じるために、エンジニアへの利益還元と透明性を最優先に考えてスタートしたのが「ITANKEN(IT案件.com)」です!

エンジニアの手取りUPを実現させる5つのお約束

ITANKENのポイントはこの5つ。

①マージンが最大10万円で業界最安値水準記事
②支払いサイトは15日で業界トップクラス記事
③公平性と透明性を重視したお取引記事
④エージェントは人柄を重視記事
⑤開発責任者は元フリーランス記事

仕事内容や単価などでお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談くださいませ!

以下ボタンより、4つの項目に答えるだけの簡単登録(無料)のみでご利用いただけます。

最後まで読んでくれた方へ

現在、お祝い金キャンペーン実施中です!

ITANKENをご利用いただいたフリーランスの皆様への感謝の気持ちとして、案件稼働1ヶ月経過後の初回報酬支払い時に、現金30,000円をプレゼント中!

申請手続きは不要で、対象の方には自動で指定口座に振り込まれます。

人気記事

シェアを待っておるぞ✨
目次