【103万円の壁問題】改正されるとフリーランスの生活はどう変わる?

記事監修
(株)ライトコード代表取締役 金城直樹
元フリーランスエンジニア。「自分で作ったものを自分で触れないのは物足りない」と考え、BtoC向けのWebアプリ・モバイルアプリ開発を専門とした(株)ライトコードを2011年に創業。
「好きを仕事にするエンジニア集団」を掲げ、現在、50人以上のエンジニアを束ねる。会社経営の傍ら、今だに第一線で活躍するエンジニアでもある。開発のことなら何でもござれな「何でも屋」。趣味は釣り。

記事を3行で解説

➀103万円の壁は、主に給与所得者向けの基準であり、フリーランスにはほぼ影響がない。

➁フリーランスは必要経費や青色申告特別控除を活用できるため、税金が発生するラインが人によって異なる。

➂2024年以降、基礎控除引き上げの可能性があり、フリーランスの手取りが増える可能性がある。


編集長編集長
今日は、所得税の記事の深堀りで今話題の「103万円の壁」についての補習をしていくわよ!
カトウカトウ
103万円は超えないようにしなきゃダメ!」って学生の時よく言われたなあ~!
最近になって、「103万円の壁」ってよく聞くけど、フリーランスにも関係あるの?
にゃん八にゃん八
結論からいうと、この「壁」は主に会社員やパートなどの給与所得者向けの話だな!
編集長編集長
なので、フリーランスには直接の影響はほとんどなし!
カトウカトウ
ええ!?
そうなの?
にゃん八にゃん八
ただし、今回の見直しでは基礎控除の引き上げも検討されているから、実現すればフリーランスの手取りが増える可能性もある「かも」な!
編集長編集長
では今回は、そもそも103万円の壁とはどんな仕組みなのか詳しく解説します!
目次

103万円は扶養から外れるライン

「103万円超えたら税金がかかるんでしょ?」「扶養から外れちゃうと困るよね?」

のような話を、なんとなく聞いたことがある方も多いはず。

一般的に103万円の壁とは、所得税が発生するラインであり、扶養から外れる基準になる金額のことを指します。

103万円という金額がどこからきているかというと、以下の計算が関わっているからです!

基礎控除(48万円)+ 給与所得控除(55万円)= 103万円

フリーランスは103万円の壁の影響は?

いきなり結論を言うと、フリーランスには壁の影響は「ほぼなし!」

なぜなら、 フリーランスの収入は「給与所得」ではなく「事業所得」だからです。

では、この103万円の壁を引き上げることで、フリーランスの生活にどんな影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう!

所得税について詳しく知らない方はこちらの記事をチェック!

カトウカトウ
給料所得控除は初めて聞いたかも!
にゃん八にゃん八
従業員を雇っていないフリーランスの方にはあまり馴染みがないワードかもな
編集長編集長
会社員やアルバイトの収入には、給与所得控除(55万円)という仕組みがあり、この金額までは税金がかからないようになってます
カトウカトウ
もし給料が55万円以下だったら税金が発生しないんだ!
にゃん八にゃん八
ただし!
フリーランスには基本的に「給料」という概念がないので関係はない

103万円までは所得税がかからない仕組み

会社員、パート、アルバイトの場合

会社員やアルバイトの収入には、給与所得控除(55万円)という仕組みがあり、この金額までは税金がかからないようになっています。

さらに、みんなに適用される基礎控除(48万円)があります。

そのため、「合計103万円までの収入なら所得税ゼロ!」というルールになっており、103万円の壁ができてしまっているのです。

フリーランスの場合

フリーランスには給与所得控除(55万円)がない代わりに、必要経費や青色申告特別控除(最大65万円)などが使えます。

さらに、基礎控除(48万円)はもちろんフリーランスにも適用されます。

そのため、必要経費や控除に左右されるため、103万円の壁はフリーランスには関係がありません!

逆にいえば、必要経費が少なく、控除も活用しない方は、103万円以下でも所得税が発生してしまう可能性もあります。

具体的にみてみましょう!

(例)収入が103万円で必要経費が20万円のフリーランスの場合

収入103万円 – 必要経費20万円 – 基礎控除48万円 = 課税所得35万円

課税所得が35万円なら、税率5%の所得税 17,500円 を納税する必要があります。

しかし、ここで「青色申告特別控除(最大65万円)」を利用するとどうなるでしょう?

収入103万円 – 必要経費20万円 – 基礎控除 48万円 + 青色申告特別控除 65万円 = 課税所得 0円

課税所得がマイナスになったので、所得税は 0円 となりました!

上記の場合は、必要経費20万円 + 基礎控除 48万円 + 青色申告特別控除 65万円 =133万円の壁 があると言えるでしょう!

カトウカトウ
なるほど!
必要経費や控除を使えるので、フリーランスの場合は、人それぞれの壁ができるということか!
編集長編集長
そうそう!
他にも利用できる「所得控除」や「税額控除」は沢山あるわ!
それをしっかり活用することで、もっと稼いでも大丈夫になるの
にゃん八にゃん八
つまり、フリーランスの場合は「103万円を超えたら課税ではない」ことを覚えておこう!
編集長編集長
このように、給与所得者の「103万円の壁」と、事業所得者のフリーランスの「課税されるライン」は異なるので混同しないように注意しましょう!

所得控除についてはこちらの記事をチェック!

税額控除についてはこちら!

その他のさまざまな壁

103万円の壁について説明してきましたが、実は 「」 はこれだけじゃありません!

一般的に壁といわれているものはこの5つ

100万円の壁住民税が発生する
103万円の壁所得税が発生する(給与所得者の場合)
106万円の壁社会保険の加入義務が発生する(会社の規模や勤務条件による)
130万円の壁社会保険の扶養から外れ、自分で保険料を払う必要が出てくる
150万円の壁配偶者特別控除が減額される

103万円の壁に続き、話題となるのが「130万円の壁」の存在。

パートなどの場合は、130万円を超えると社会保険の扶養から外れ、自分で保険料を支払う義務が発生します。

では、「130万円の壁」はフリーランスに影響はあるのでしょうか?

結論から言うと、こちらも影響はありません!

フリーランスの場合は所得がいくらかに関わらず、国民健康保険と国民年金に加入する仕組みにそもそもなっています。

そのため、こちらもフリーランスには無関係な壁です。

健康保険に関してはこちらの記事もチェック!

カトウカトウ
2024年から国会では103万円の壁を引き上げることを協議していますよね?
今後、壁が引き上がるとどうなるの?
編集長編集長
今回の壁の引き上げは、言い換えれば基礎控除48万円の額を拡充することを意味します!
基礎控除の金額がもっと上がるかもしれないわね
カトウカトウ
そうなると、手元に残るお金も大幅に増えることになりますよね!
にゃん八にゃん八
フリーランスとしては、ぜひとも実現してほしい政策と言えるな!
手元に残るお金が増えたら、約束通り、カリカリのグレードアップをお願いします
カトウカトウ
チッ…!
今後も103万円の壁引き上げについての動向を見守っていきます。
にゃん八にゃん八
(舌打ち!!)

関連記事

所得税について詳しく知らない方はこちらの記事をチェック!

所得控除についてはこちらの記事をチェック!

税額控除についてはこちら!

健康保険についての深堀り記事はこちらをチェック!

人気記事

「高所得フリーランス」を目指しませんか?

103万円以外にもさまざまな壁がありますが、所得税や保険料を納めるのは国民の義務

しかし、所得が上がれば上がるほど、所得税や保険料の負担はどんどん大きくなってしまいます。

そこで、どうせ支払わなければいけないのであれば、フリーランスとして「まずは収入を増やして手取りを増やしませんか?」というご提案です。

「でも、所得が上がったら、税金も増えるんですよね?」

いいえ、実は違います!

所得が上がったら、法人化するなどして保険料を抑えるテクニックなどが可能になり、逆に負担を減らすことができるのです。

では、どうすれば高収入を目指せるのでしょうか?

高収入にチャレンジしたい方のために、「マージンが最大10万円」という業界最安水準のエージェントサービスがあります。

このサービスを運営している代表は、現在は14期目のIT企業「ライトコード」を経営していますが、当時はフリーランスとして大手有名WEBサービスなどで活躍していました。

その中で、自身も不透明なマージンに苦しんだ経験がありました。

そんな代表が、フリーランスへの利益還元を最優先に考えてスタートしたのが、「ITANKEN(IT案件)」です!

なぜマージンが減ることで高収入が期待できるのかは、以下の記事をぜひお読みください。

「広告にお金をかけるくらいなら、フリーランスに還元したい」

ITANKENは、そんな代表の一言から生まれたサービスです。

IT業界に20年以上携わってきた代表が、業界に対しての恩返しともいえるサービスがこの「ITANKEN」です。

ITANKENのポイントはこの5つ。

①マージンが最大10万円で業界最安値水準(記事
②支払いサイトは15日で業界トップクラス(記事
③公平性と透明性を重視したお取引(記事
④エージェントは人柄を重視(記事
⑤開発責任者は元フリーランス(記事

ITANKENでは、フリーランスとしてのあなたの成長を全力でお手伝いできるサポート体制を整えております。

仕事内容や単価などでお困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談くださいませ!以下ボタンより、10秒で簡単にご登録できます。

最後まで読んでくれた方へ

現在、お祝い金キャンペーン実施中です!

ITANKENをご利用いただいたフリーランスの皆様への感謝の気持ちとして、案件稼働1ヶ月経過後の初回報酬支払い時に、現金30,000円をプレゼント中!

申請手続きは不要で、対象の方には自動で指定口座に振り込まれます。

ご登録はこちら!

シェアを待っておるぞ✨
目次